メドピア開発者ブログ

集合知により医療を再発明しようと邁進しているヘルステックカンパニーのエンジニアブログです。読者に有用な情報発信ができるよう心がけたいので応援のほどよろしくお願いします。

ついにHealth 2.0が日本上陸 - 新しいHealthTechの発展の場

こんにちは、@fukumuraです。

メドピアでCTOをやってます。よろしくお願いします。

はじめに

ここは技術ブログですが、 本日は技術の話はせずに「Health 2.0」の話を中心に 来週11/4-5に日本で初開催する「Health 2.0 ASIA-JAPAN」の話もしたいと思います。

Health 2.0とは

皆様、Health 2.0という言葉を聞いたことがありますでしょうか? (2.0は少し古い感じはしますよね、、、でもヘルスケア業界はまだ2.0の段階です)

Health 2.0とは、米国サンフランシスコを拠点に2007年に生まれたHealthTechのカンファレンスです。 新しいHealthTechの発展のために、大企業からHealthTech系のスタートアップやベンチャー企業、VCなどさまざまなプレイヤーが集まり、出会い、 化学反応を起こす場となるべく、世界各国で開催されています。

Health 2.0 Annualカンファレンス

米国で開催されるAnnualカンファレンスは、 今や参加者2000名を超えるイベントとなっています。

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今年2015/10/5-7の3日間、米国サンノゼで開催されたカンファレンスには、 弊社メンバーも参加してきました。 先日その報告会が社内で行われ、いろいろなヘルステックの最新サービスが発表されました。 その中でも私が個人的に面白いなと思ったサービスが有りましたので3つだけご紹介させていただきます。

FirstDerm

www.firstderm.com

サービスの特徴はスマホで撮影した画像で医師からセカンドオピニオンが得られるというサービスです。 患者側アプリと医師側アプリを開発し、患者と医師をつないでいます。 主に皮膚科系を中心に展開していて、患者側はレスポンス速度を買い、 医師側はレスポンス速度で報酬を得るというビジネスモデルです。 技術的なハードルは高くなさそうですが、 日本では、まだまだ遠隔診療の領域なのでビジネス化という点でハードルが高いです。 しかしながら、患者と医師がWin-Winになっている非常に面白いサービスで、 今後もウォッチしていきたいです。

Tyto Care

tytocare.com

遠隔に必要な情報が取得できるデバイスを作り、遠隔診療ができるようにしたサービスです。 実際にデバイスをつくってしまうところがすごいですが、 さらにそこで得たデータはクラウドに蓄積し、病院との連携プラットフォームになっているようです。 また、スマートフォンとデバイスを連携させて確定診断までできるとのことで、 こちらも日本では遠隔診療の壁がまだ高いのですが将来的にはここまでできると日本医療も変わってきそうです。 Web出身の私としてはデバイスまで作りきってしまうTyto careのエンジニアに憧れと嫉妬を感じてしまいます。

athena health

www.athenahealth.com

1997年創業時からクラウド型EHRシステムを開発・提供していて、売上は700億円を超えている会社です。 課金は会員医師に入る医療費の数%としていて、まさに実医療に踏み込んでいる素晴らしいサービスとなっています。

Health 2.0 ASIA-JAPAN のセッション

さらに、来週から開催されるHealth 2.0 ASIA-JAPANでデモやピッチ等で参加されるサービスを3つほどご紹介したいと思います。

Steth IO

www.stethio.com

こちらは、スマホを胸にあてるだけで心拍の様子がわかるというもので 医療機器などが整っていない国でも容易に利用が可能になります。 医師の聴診器を使った音の判断+グラフ描画による視覚の判断、 これらのデータを蓄積して分析することでの予防や発見につなげることができるなど 技術的にもいろいろ夢が広がりそうです。 AppleのWatchOS2より心拍数が取れるようになったので、今後いろいろ出てきそうですね。

BaseHealth

www.basehealth.com

遺伝子データや臨床データを収集し、Fitbitなどのデバイスからも情報を収集することで 患者の予防にまで踏み込んだサービスを提供しています。 予防ができるようになると医療費も削減されるので 今後の日本もこのような予防医療が発展していくようにしていきたいです。

BirdsView

http://www.birdsview.jp/

救急車と病院のマッチングをし、搬送を最適化するシステムを提供しているサービスです。 各地で地域全体をひとつの医療システムとしていく地域医療連携の代表例です。

最後に

いかがでしたでしょうか?

海外では活発に医療関連のサービスが開発されていますが、 日本も遠隔医療の環境がすこしずつ変化しており、同じ様な世界がくると感じています。

医療情報の開発をする上で、ガイドライン*1は欠かせませんが、 実はすごいボリュームがあり、 現状では気軽に開発できるような環境ではないかもしれません。

しかし、本カンファレンスはHealthTech業界の情報のハブとなり イノベーションとコラボレーションを加速させる場に少しでもなればと願っております。

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そんな雰囲気を味わいたい方がいたら、 来月日本で初開催する「Health 2.0 ASIA-JAPAN」に是非ご参加ください。

共同創業者のMattew Holt氏とIndu Subaiya氏も来日して、世界のヘルステックの最新トレンドを語ってくれますし、 米国ではとても有名な患者SNS、PatientsLikeMeのRishi Bhalerao氏もスピーカーで参加されます。

皆様奮ってご参加下さい!

www.health2conjapan.com