こんにちは。エンジニアの保立(@purunkaoru) です。
先日、弊社のMVPに、開発チームのリーダーをしている四方さん(@shikatadesu)が選ばれました。
近くで見て、僕が勉強になった点を「成功循環モデル」をもとに紹介いたします。 チームビルディングで悩まれている方の参考や気付きになれば嬉しいです。
成功循環モデルは、「関係の質」、「思考の質」、「行動の質」、「結果の質」という順序で質が向上していく考え方です。各段階の質が高まることで次の段階の質も向上し、良い結果が循環するとされています。詳しくは以下のリンクをご参照ください。
「成功循環モデル」とは、組織として成果や結果を上げ続けるために必要な要素とサイクルを示した組織開発フレームです。組織の成果や結果を継続的に上げるためには、組織に所属する従業員同士の関係性が重要です。 Schoo for Business: 成功循環モデルとは?活用するメリットや方法を解説
実は、僕自身が最近までこの考え方にピンときてなくて、深く考えたり、実践することがありませんでした。特に、メンバー間の関係が良好ならば思考や行動、そして結果の質が自動的に向上するかというと、そうとは限りません。例えば、社内の飲み会やチーム旅行が直接的な成果向上につながるとは感じにくいですよね。また、組織の一体感が思考や行動の質を高めるという考えには納得できるものの、その一体感が具体的にどのような形で結果につながるのか、長らく疑問に思っていました。
四方さんが表彰された際に、チームの成功要因を分析したところ、この成功循環モデルで説明がつきそうだなと思ったので、その成果を開発者ブログに書きました。
以下は、チームの関係の質を向上させて、成功循環を生むために工夫された点です。
1. リーダーシップ領域の明確化
このチームでは、必要な時に必要な人がリーダーシップを発揮できる、シェアド・リーダーシップができるチームビルディングを目指していました。そのために、まずは全員がどこでリーダーシップを発揮するのかを明確にして、そのためにどのような知識を増やし、どのような行動を取るのかを考えたうえで、チーム内の共有を行いました。これにより、特定のリーダーのみにタスクや責任が集中することを防ぐとともに、メンバー同士が相互に信頼できる環境ができました。
2. タスクの質と期限の厳守
各メンバーの得意領域が明確になっても、タスクの質が低かったり、決められた期限が破られると、チーム内の信頼関係が落ちる要因となります。PdMもエンジニアも、自身のタスクへの質の向上や期限を守ることへの意識がとても高く、それが信頼関係を構築できる要因となりました。
3. タスクの背景共有
毎日の朝会では、「こぼれ話」というコーナーを設けて、PdMから業界についての共有やユーザーヒアリングの結果など、PdMがインプットしている情報の共有をしていました。この透明性がエンジニアにもタスクの背景を理解させ、より具体的な要件や分析手法の提案を促しました。
これらの取り組みによって「関係の質」が向上したことで、「行動の質」にも好影響を与えました。 以下に具体的な事例を示します。
- エンジニアの業界理解の深化:エンジニアが業界に関する知識を深めたことで、要件定義やユーザー分析に関してもPdMと共に積極的に提案できるようになりました。
- テスト工数と手戻りの削減:チーム全体でテスト工数や手戻りをどう減らすかについて議論しました。その結果、要件定義のドキュメントフォーマットやレビュー観点を見直し、テスト工数を半減することができました。
- タスクの負担分散:PdMが急なタスクで忙しくなると、エンジニアが積極的に業務を引き受けて進捗遅れを防ぎました。これにより、PdMの負担が軽減され、プロジェクト全体の滞りない進行が保たれました。
今回の事例は、チームが各個人の特性やリーダーシップを活かし、チーム内の「関係の質」を高めた結果、「行動の質」や「結果の質」が上がった良い例でした。朝会で趣味やランチの話をするのもいいですが、それだけの関係にとどめず、行動や結果の質を上げるための関係作りをしているのが印象的でした。
僕はまだ読んでいませんが、このチームで成果を出しているメンバーからは、「GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた」でも成功循環モデルについて触れられていると伺いました。
リーダーがメンバーのパフォーマンスを十分に発揮させるためには、マネージャーは価値観や性格の異なるメンバーやパフォーマンスが出ていないメンバーに対しても積極的に関係性を構築する必要があることがわかります。
(中略)
高いパフォーマンスを発揮するメンバーに対しては質の高い関係性を構築しやすいですが、パフォーマンスが低いメンバーに対しては冷淡になり、関係の質が低下しやすくなります。その他にも、質の良い関係性が構築されていたとしても、メンバー自身が自分の能力を過小評価していると高いOBSE(Organization-Based Self-Esteem)を獲得することは難しく、挑戦的な行動につながりづらいこともあります。
この本では、成功循環サイクルとメンバーの自己効力感を上げることが必要と書かれているようですね。自己効力感については、社内で行なっている施策があるので、別の機会に紹介したいと思います。
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