メドピア開発者ブログ

集合知により医療を再発明しようと邁進しているヘルステックカンパニーのエンジニアブログです。読者に有用な情報発信ができるよう心がけたいので応援のほどよろしくお願いします。

開発合宿!?それならペンションでしょ!! 〜群馬県みなかみ町へのメドピア開発合宿日誌〜

こんにちは。メドピアエンジニアの保立です。
今回は、題名の通り、開発合宿についてです。
メドピアでは、年に2, 3回開発合宿を行なっており、前回の合宿から、僕が合宿の幹事をやらせてもらってます。
今回は、11/29〜12/1の3日間、群馬県のみなかみ町にある谷川くるみ村のペンション木馬さんにお世話になりました。
ペンション木馬さんでは、開発合宿プランが用意されており、今回はこの開発合宿プランで合宿を行いました。
11名での参加でしたが、「貸切」で使わせていただくことができました。
ペンションでの開発合宿が思いのほか良かったので、感想を書いていきます。

ペンションをオススメする理由

合宿先を選定する上で、(1)少人数部屋の用意、 (2)セキュリティー、 (3)予算 の3点で悩まれる方が多いと思います。
合宿をペンションで行うことで、この問題が簡単に解決するんです。

1) 少人数部屋が用意しやすい
エンジニアが中心となる開発合宿では、男性ばかりの合宿になることが多いですが、女性エンジニア・デザイナーも気軽に参加できるように、女性部屋の用意は必須となります。
今回参加表明をした女性社員は2名だったので、2名部屋を用意する必要がありました。
開発合宿の限られた予算内で2名以下の部屋を用意するのは意外と大変なんです。
少人数での利用客が多いペンションでは、女性が少数でも専用部屋を簡単に用意できます。

2) 戸締りがしっかりしている
戸締りの必要性は、会社の文化によってまちまちかもしれませんが、メドピアではPCから離れて食事に行く場合、PCが施錠された場所にあることが必要です。
以前、コワーキングスペースで開発合宿を行なった際は、PCを作業場に置きっぱなしで食事に出かけられず、PCを持って食事に行きました。(つらかった)

3) 宿泊費が抑えられる
普通のホテルでは、朝食・夕食・会議室付きでだいたい1泊1万円くらいかと思います。
今回は、2泊で15,400円(税込)でした!!!

合宿のテーマ

メドピアでは、開発合宿で行うテーマとして、普段の業務中にはできない技術研鑽や実装したい機能を自ら決めます。
初日の午後から、最終日の午前中までひたすら開発を行い、最終日の午後に成果発表を行います。
テーマの一部をここで紹介します。
「ChatBotによるサービス改善」
「Rubyのバグ改善」
「RailsのGem開発」
「ElasticSearchで検索機能をもっとよくする」
「新サービスの企画とモック作成」

合宿中

  • 部屋

部屋はこんな感じです。床暖房が効いてて暖かかったです。
f:id:kaoruhotate:20171203173926j:plain

  • 開発中

もくもくもくもく。 f:id:kaoruhotate:20171201104409j:plain

息抜きにペンションの前の川に来ています。 f:id:kaoruhotate:20171201104017j:plain

  • ご飯

朝食・夕食はペンションで用意してもらいましたが、とても美味しかったです。
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  • 最終発表

宿でプロジェクターを借りて、無事最終発表までできました。
f:id:kaoruhotate:20171203115641j:plain

ペンション木馬の合宿について

ここからは、Q.A.方式で合宿について振り返ります。
- ネット繋がるの?
今回11名での合宿でしたが、問題なく繋がりました。(VPN接続もできました)
ペンション木馬の亭主さんは、水上町の飲食店のホームページを作ったこともあるそうで、ネットワークにも詳しい方のようでした。
さらに、開発中にこんなことが。 ↓↓↓ ありがたいです。 www.facebook.com

  • 電源タップは必要?
    大人数でない限り不要だと思います。
    多人数用の電源タップが5, 6個用意されてました。
    会社から電源タップを持って行きましたが、いらなかった。。。

  • お風呂はどう?
    大浴場といった形でしたが気持ちよかったです。
    午前10時から午後3時を除いて入浴が可能だったため、開発に行き詰まった際や夜寝る前でも、自由にお風呂に入って体を癒すことができました。

  • 昼食をとるところはある?
    朝食・夕食はペンションで用意してもらいました。とても美味しく、量も十分でした。
    外にも、駅前や水上温泉街など、オシャレな飲食店が多く、バリエーションも豊富でした。
    平日の昼間でも思ったより混んでいたので、大人数の際は事前に予約した方がいいかもしれません。
    今回は、水上名物焼きカレー カフェレストラン亜詩麻(アシマ)さんと窯焼きピザの店ラ・ビエールさんで昼食を食べました。
    両方とも、オシャレでご飯も美味しかったです。

  • 注意点は?
    プロジェクターを借りる場合、HDMI対応のコネクターが必要でした。

まとめ

開発合宿のアウトプットは、宿や作業場に大きく左右されると思います。 今回利用した「ペンション木馬」さんでは、ネット環境や電源の問題で不自由されることは少なく、美味しいご飯で精気を養い、夜間常に利用できる大浴場で疲れを癒しながら作業ができたため、いつも以上のアウトプットが出せました。

開発合宿の宿泊先をインターネットで調べると、旅館やホテルがたくさん出てきます。 しかし、ペンションで合宿をすることで、よりたくさんのエンジニアの参加を促せたり、宿泊費を抑えることができるかもしれません。 開発合宿をする際は、ペンションを考えてみてはいかがでしょうか。
f:id:kaoruhotate:20171203115554j:plain


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FukuokaRubyKaigiで登壇してきました!!

FukuokaRubyKaigiで登壇してきました

みなさまこんにちは、メドピアCTOの福村です。

FukuokaRubyKaigi、控えめに言って最高でした! (スケジュールがタイトで食を楽しめませんでしたが次回リベンジ。)

regional.rubykaigi.org

キッカケ

メドピアは長くPHPで開発してきたため、Rubyでも開発していると多くの人に知ってもらいたいということがキッカケで めんたいスポンサーというスポンサー枠で参加させていただきました。
運営スタッフの方々に感謝です。本当に大変だったと思います。

発表内容

朝からほぼ全員?と思うくらい席いっぱいで熱量半端なかったです。 OSSへ恩返しというワードが終始出ていたのが印象的でした。今後も感謝の気持ちやお金、行動をわかりやすく実行していきたい。
島田さんの「A Ruby Programming Episode」がとてもすばらしく、おまけにすごい秀逸な終わり方だったため、次で滑るとFukuokaRubyKaigiの印象わるくなってしまうかもというプレッシャーを密かに感じながら喋りました。
前夜祭もLT大会がすごい盛り上がり、エネルギーをもらいました。

ちょっと補足

  • レビュー振り返り会のオススメ
    • コスト低で実施できるのでよいです。是非やってみてください!
  • ノベルティーグッズにマッサージ器
    • メンバーと良さそうなノベルティーグッズは何かね?と議論を重ねて最終的に選ばれたのがこれでした。
    • もらった人はぜひとも使ってやってくださいm( )m
      f:id:akinorifukumura:20171127174821p:plain

まとめ

やりたいこと(やれる)ことは沢山あるもので、だいたいやれそうなものがやれていなかったりで焦りますよね。
一つ一つやれることを着実にやっていくと1年間を振り返ったときいっぱいやってきたなと気づけたりします。
長い道のりなので後悔のない1手を着実に大胆にすすめていきたいと思います。


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Railsの太ったモデルをダイエットさせる方法について

こんにちは。メドピアのRuby(Rails)化をお手伝いしている@willnetです。最近はよくリファクタリングをしています。

今回は、最近僕がリファクタリングしている内容についてまとめようと思います。

メドピアではFat Model/Controllerを避けるために、rubocopの設定を利用しクラスの行数が300行以下になるよう制限しています*1。最近300行を超えるモデルが出てきたので、一部の処理を別のクラスに切り出し始めました。

このとき、Railsが提供している機能であるconcernsを利用すると楽に行数を減らすことができますが、それだとrubocopの指摘を回避できるという意味しかないので、なるべく委譲(composition)を利用して処理を別クラスに移していっています*2

複数モデルにまたがる処理を切り出す

Railsアプリケーションを書いていると、複数のモデルを一度に使った処理を書きたいケースがあります。その場合は処理をどこに書くのが適切でしょうか?

多くのwebサービスではユーザが起点となる処理が多いので、結果としてUserモデルにメソッドが集まってしまいUserモデルがどんどんFatになります。数百行のレベルで済めば良い方で、千行を超えるUserモデルを持つプロジェクトも多いのではないでしょうか。行数が多いクラスは内容を理解するのが大変ですし、コードを修正した際の影響範囲もすぐにはわかりません。こうなるとコードに触れるのが苦痛になってきます。

これを解決するには、Active Recordを継承しないPORO*3なモデルを作成し、処理を委譲します。

例として、Userモデルに「ブログを投稿して友達に通知をする」メソッドを書いてみます。

class User < ApplicationRecord
  has_many :posts
  has_many :friendships
  has_many :friends, through: :friendships
  
  def create_post_with_notifications!(body)
    transaction do
      posts.create!(body: body)
      friends.each do |friend| 
        friend.notifications.create!("#{name}さんが投稿しました")
      end
    end
  end
end

これはUserモデルに置かれることの多い典型的なメソッドです。Userモデルが投稿と友達の関連元になるので、一見収まりがよく見えます。開発初期でUserモデルが小さいときはとくに問題になりませんが、開発が進むにつれこのようなメソッドが大量に存在するようになり、邪魔になってきます。

そこで、「ブログを投稿して友達に通知をする」という単一目的のクラスを作ってみます。

class PostWithNotifications
  def self.create!(creator:, body:)
    new(creator: creator, body: body).create!
  end
  
  def initialize(creator:, body:)
    @creator = creator
    @body = body
  end
  
  def create!
    ActiveRecord::Base.transaction do
      create_post!
      create_notifications!      
    end    
  end
  
  private
  
  attr_reader :creator, :body
  
  def create_post!
    creator.posts.create!(body: body)
  end
  
  def create_notifications!
    creator.friends.each { |friend| create_notification!(friend) }
  end
  
  def create_notification!(friend)
    friend.notifications.create!("#{creator.name}さんが投稿しました")
  end
end

処理の内容的には以前と変わっていません。ただ、メソッドを切り出したついでに多少リファクタリングしています。単一目的のクラスで管理することにより、メソッドを抽出するなどのリファクタリングがより簡単になりました。

PostWithNotificationsクラスを作ったことにより、メソッド呼び出しがuser.create_post_with_notifications!('投稿内容')からPostWithNotifications.create!(creator: user, body: '投稿内容')に変更されました。インターフェースを変えずに処理を切り出したい場合は、次のように、元のUser#create_post_with_notifications!から処理を委譲するようにするとよいでしょう。

class User < ApplicationRecord
  # 略
  
  def create_post_with_notifications!(body)
    PostWithNotifications.create!(creator: self, body: body)
  end
end

複数のレコードを扱う処理を切り出す

単一のモデルを取り扱う場合でも処理を書く場所に困る場合があります。それは複数のレコードを取り扱うケースです。複数のレコードを取り扱うために、モデルのクラスメソッドに処理を書く場合が頻繁に見られます。モデルが小さい場合はそれでも問題ないですが、先程と同様開発が進むにつれモデルの見通しを悪くする要因になります。そもそも、Active Recordは本来レコードとオブジェクトを一対一でマッピングするデザインパターンなので、複数のレコードを扱うクラスは別に用意するのが適切です。これも先程の例と同じくPOROを使うことで解決できます。

例として、複数のメッセージを既読にする処理を考えてみます。

class Message < ApplicationRecord
  enum status: %i[unread read]
  
  def self.read!(messages)
    messages.unread.each(&:read!)
  end

  # たくさんのメソッド
end

(この例だとMessage.read!メソッドは十分小さいのであまり切り出す必要性は感じないかもしれません。もっと長いメソッドを想像して読み替えてください)

このMessage.read!メソッドはメッセージを扱うので一見妥当な場所に存在するように感じます。しかし、複数レコードを取り扱うクラスを作り委譲させることで、より見通しがよくなるケースが多いです。

class Message::Collection
  def self.read!(messages)
    new(messages).read!
  end

  def initialize(messages)
    @messages = messages
  end

  def read!
    @messages.unread.each(&:read!)
  end
end

Message::Collectionというクラスを作りメソッドを切り出しました。これで開発が進みread!メソッドが複雑になったとしても、全体を容易に把握できるはずです。

単機能として切り出せる処理を切り出す

ここまでの内容に沿って複数モデル、複数レコードの処理をPOROに切り出したあとは、Active Recordのモデルに書かれている処理は基本的に自分のモデルに関わることだけになっているはずです。それでも行数が多く取扱いに困るときは機能ごとにPOROに切り出しましょう。

どういう機能を切り出すべきかはモデルごとに判断するしかないのですが、例えばバッチ用の処理などは共通して切り出しやすいです*4

Active Recordのモデルに対してバッチ処理用のメソッドを生やすよりは、バッチ処理専用の小さいクラスを作ってしまった方が取扱いが楽なケースが多いです。

次のような、未読のメッセージがあったときにユーザにメールを送るようなメソッドがあるとします。

class User < ApplicationRecord
  # ...
  
  def self.notify_unread_messages
    User.active.find_each do |user|
      next unless user.messages.unread.exists?
      UserMailer.not_read_messages(user).deliver_now
    end
  end
end

これをバッチ用のクラスに移動させると次のようになります。

class UnreadMessagesNotification
  def self.notify(user: nil)
    new(user: user).notify
  end

  def initialize(user: nil)
    @user = user || User.active
  end

  def notify
    user.find_each do |user|
      next unless user.messages.unread.exists?
      UserMailer.not_read_messages(user).deliver_now
    end  
  end

  private

  attr_reader :user
end

メソッドを移動させたことでUserクラスからUser.notify_unread_messagesを削除できました。それだけではなく、メール送信の対象となるユーザを外部から注入できるようにしたことで、テストをしやすくなっています。

まとめ

POROを利用してモデルを小さく保つ方法について紹介しました。Railsの初心者は特に「モデルとはActive Recordのことだ」と考えがちです。その固定観念から抜け出すことで、可読性の高いアプリケーションを書く入り口に立てるのではないかと思います。この記事によって少しでも読みやすいRailsアプリケーションが増えることを願っています。


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*1:コントローラで300行は多すぎるので、いずれコントローラの場合は100行以下にしたいと思っています

*2:concernsについてはまた別の機会に書くかもしれません

*3:Plain Old Ruby Objectの略で、Active Recordなどを継承していないふつうのオブジェクトのことを指します

*4:この話の前提として、「基本的にバッチ用の処理はモデルに書き、rakeタスクはモデルのメソッドを呼び出すだけ」という慣習があります。これにより、処理内容がわかりやすく、かつテストが書きやすくなる効果があります

Webpackerへの移行を機にフロントエンド開発を改善

こんにちは。メドピアでエンジニアをしている村上(pipopotamasu · GitHub)です。 普段はRailsを触っていますが、時々フロントエンド周りの開発もしています。 今回はメドピアの環境におけるWebpacker導入とフロントエンド周りの改善をテーマに記事を書きます。

目次

  1. なぜWebpacker(Webpack)を導入するのか?
  2. フロントエンド改善計画
  3. Webpackerの導入で気をつけたこと

github.com

なぜWebpacker(Webpack)を導入するのか?

Webpackerを導入する背景として、主に2つの課題がありました。

  • JavaScriptのビルド時間が長い

  • パッケージのバージョン管理ができない

JavaScriptのビルド時間が長い

元々メドピアのフロントエンド開発においてBrowserifyというbundlerを使用していました。 しかし、これにはビルド時間が長いという弱点があります。 特に以下の2つの場面でその長さが目につきます。

  • CI, デプロイ, 環境構築時に走るassets:precompileのビルド

  • 開発時のJavaScriptのビルド

現状だと前者はビルドだけで10分近くかかってしまい(JavaScriptだけでなくcssなどの他のアセットのビルドも時間がかかるという理由もありますが)、 後者はBrowserifyと一緒に使っているbabel-plugin-transform-runtimeの実行に時間がかかり、JavaScriptの開発中は3秒ほどの時間がかかります。

依存パッケージのバージョン管理ができない

メドピアの環境のnpmのバージョンが3系であるため、パッケージのバージョンを固定するpackage-lock.json(npm5系から登場)がありません。 そのため、RailsのGemfile.lockのように依存パッケージのバージョンが管理できないという問題があります。


これら2つの課題はWebpackerを導入することで一気に解決されます。

JavaScriptのビルド時間が長い → ビルド時間の短縮

BrowserifyよりWebpackの方がビルドが早くなることのベンチマークは、以下の記事を参考にさせていただきました。

perkframework.com

Browserifyとの比較がとてもわかりやすく掲載されています。 唯一、全くの0からのビルド(Fresh build)がBrowserifyが速度的に上回っていますが、そのようなビルドをするのは初回の環境構築時くらいなのでほとんど気にする必要はないでしょう。

依存パッケージのバージョン管理ができない → yarnによりバージョン管理可能に

Webpacker導入により(というよりWebpackerが依存するyarnというパッケージ管理システムにより)、上記のpackage-lock.json, Gemfile.lockのようにyarn.lockで依存パッケージのバージョン管理ができるようになります。

他にもJavaScript以外のアセットファイルのビルドができたりエコシステムが充実しているという点はBrowserifyからWebpackへの乗り換えで大きな利点でもあります。

このような背景からメドピアではWebpackerを導入することとなりました。

フロントエンド改善計画

しかし、いきなり全てのビルドをBrowserifyからWebpackerに置き換えるということはできません。 今まで書いてきたJavaScriptのコード量が多いため、それをWebpacker用の領域(app/javascripts)に移し替えるのにテストを含め時間がかかるからです。 またせっかく移行するなら、同時にフロントエンドをもっと改善していくチャンスでもあります。 具体的な改善点としては...

  • CommonJSだった部分をES Modulesに置き換える

  • Vue.jsでデータバインディングのみでしか使用していなかったところを、単一ファイルコンポーネントも活用する

  • 単一ファイルコンポーネントのLintを導入する

  • 最新版パッケージへ継続的なUpdate体制の確立

などがあります。 ここで、それぞれの改善点の詳細なポイントについてみていきましょう。

CommonJSだった部分をES Modulesに置き換える

ES Modules(以下esm)に置き換えるメリットとしては個人的には大きく以下2つだと思います。

  1. 実行前にモジュール読み込みのエラーを検知できる

  2. ツールを使うことでコードの最適化ができるようになる

実行前にモジュール読み込みのエラーを検知できる

esmはCommonJSと違い静的構文であるため、コードの実行前に構文解析が走ります。 これにより、開発者はより早い段階で間違いに気づくことができます。

# CommonJS
## module.js
function hoge() {
  return 1 + 1;
}
exports.module = hoge;

## main.js
const fuga = require('./module').fuga
console.log(fuga); // undefined


# esm
## module.js
export function hoge() {
  return 1 + 1;
}

## main.js
import { fuga } from '.module' // <= ここでSyntax Errorが発生


ツールを使うことでコードの最適化ができるようになる

esmを使うことで、コードの最適化ができるようになります。 例えばWebpackにはTree Shakingという機能があります。 ESモジュール形式で書かれたコードをbundleして一つのファイルにする時に、exportしているけどどこからもimportされていない、使われていないコードを削除する機能のことです。

https://webpack.js.org/guides/tree-shaking/

Edgeでもexport/import時にコードの最適化がされるようです。

Previewing ES6 Modules and more from ES2015, ES2016 and beyond - Microsoft Edge Dev BlogMicrosoft Edge Dev Blog

またCommonJSはいわゆるサードパーティなのに対し、esmはECMAScriptで定義されるJavaScriptの標準であるということも置き換えの理由です。

単一ファイルコンポーネントの活用

メドピアではJavaScriptのフレームワークとしてVue.jsを使用しています。Vue.jsの機能として、Vue.jsを適用させるテンプレート(HTML)とJavaScriptを同じファイル内に記述する単一ファイルコンポーネントというものがあります。 単一ファイルコンポーネントを使用するメリットはいくつかありますが、最も大きな理由は可読性の向上です。 可読性の向上については3つのポイントがあります。

  1. シンタックスハイライト

  2. 同一ファイル内にテンプレートとテンプレートに適用するJavaScriptを書くことができる

  3. テンプレート内でES6が使用できる

シンタックスハイライト

単一ファイルコンポーネントを使用しない場合、HTMLファイル内にVue.jsのコードを書く必要があります。 メドピアではViewテンプレートにHamlを採用しているため、Hamlファイル内にVue.jsのコードを書いています。 しかし、Hamlファイル内にVue.jsのコードを書いてもシンタックスハイライトがHamlのコードにしか適用されないため非常に見辛いです。

[単一ファイルコンポーネントのテンプレート] f:id:ec0156hx39:20171027113801p:plain

[Haml内に書いたテンプレート] f:id:ec0156hx39:20171027123647p:plain

上のように、単一ファイルコンポーネント内のテンプレートは見やすくハイライトされ(※お使いのエディタでハイライトのプラグインを入れる必要があります)、一方Haml内に書いたテンプレートはHamlのシンタックスしかハイライトされないため見づらくなってしまいます。

同一ファイル内にテンプレートとテンプレートに適用するJavaScriptを書くことができる

単一ファイルコンポーネントの最大の特徴です。 1ファイル内にHTML, JavaScript(CSSも)が記述できるのでどのJavaScriptがどのHTMLに適用されているかを容易に知ることができます。

f:id:ec0156hx39:20171027124642p:plain

テンプレート内でES6が使用できる

Hamlファイル内ではES6のJavaScriptのコードがトランスパイルされないので古いブラウザのサポートをする必要がある時は使用することができません。 ES6を使いたい場面(特にv-bind時の文字列テンプレートの使用)で使えないことにより、可読性が落ちる場合があります。 以下はinputタグに動的なclassをつける時の例になります。

[単一ファイルコンポーネントのテンプレート] f:id:ec0156hx39:20171027134313p:plain

[Haml内に書いたテンプレート] f:id:ec0156hx39:20171027134321p:plain

単一ファイルコンポーネントのLintを導入する

単一ファイルコンポーネントはHTMLやJavaScriptのLinterが使用できないため、新たに専用のLinterが必要です。 これの導入により、コードの質の担保・コーディングルールの統一を実現します。

最新版パッケージへ継続的なUpdate体制の確立

パッケージは定期的にアップデートしないと差分が大きくなり、いざアップデートしようとすると大怪我をする恐れがあります。 幸いにメドピアではRubyのGemを定期的にアップデートする体制ができているため、それと合わせてパッケージをアップデートしていく体制にしていきたいです。



などなどWebpacker導入を機に、よりJavaScriptの開発をモダンにしていきたい野望があります。

そこで、その野望を実現するために移行計画を立てました。

  1. Webpackerの導入
  2. 一部BrowserifyでビルドしているコードをWebpackerに移植すると同時に単一ファイルコンポーネントのLintを導入する
  3. 徐々にBrowserifyでビルドしているコードをWebpackerに移していくかつCommonJSをES Modulesに置き換え
  4. Webpackerへの完全移行とともにBrowserifyのアンインストール
  5. yarn upgrade体制の確立

Webpackerの導入で気をつけたこと

最後にメドピアにおけるWebpackerの導入で気をつけた部分を共有します。

Docker用の設定

メドピアでは開発環境にDockerを利用しています。 しかし、デフォルトのWebpackerの設定ではhostがlocalhostに設定されているため、ホストOSのブラウザからDocker上の開発環境にアクセスできないため以下のような設定が必要です。

https://github.com/rails/webpacker#development


# webpacker.yml

  dev_server:
     host: localhost # <= ここを0.0.0.0に変更
     port: 3035
     hmr: false
     https: false

config/webpack/environment.jsの拡張

Webpackerの2系ではplugin, loader, aliasの設定はconfig/webpack/shared.jsに記述すればよかったのですが、3系からshared.jsが廃止され、この辺りの設定がnode_modules以下の@rails/webpackerに格納されています。 もちろんalias等の設定を直接node_modules以下に追記することはできません。そのため、今回はwebpack-mergeを使ってconfig/webpack/environment.jsにそれらの設定しました。

# environment.js

const { environment } = require('@rails/webpacker')
const merge = require('webpack-merge')

module.exports = merge(environment.toWebpackConfig(), {
  resolve: {
    alias: {
      vue: 'vue/dist/vue.js'
    },
  },
});

今回はaliasだけですが、plugin, loaderなどの設定もここに追加していけばwebpackの設定がうまいことできそうです。

終わりに

まだまだモダンな環境への移行は道半ばですが、今後も変化の激しいフロントエンドの技術に追従できるように環境の改善及び技術力の向上に努めていきたいと考えています。 その一貫として、メドピアでは毎週火曜日の19:30〜Vue.jsのもくもく会を開催しています。 是非ともご参加あれ!

またRailsエンジニア、フロントエンドエンジニアを絶賛募集中ですので少しでも興味を持った方は一度メドピアに遊びに来てください!


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生きて腸まで届くマイグレーションツール Phinx

こんにちは。メドピアCTO室 @kenzo0107 です。

Join して4ヶ月、
日々新たな技術に触れ、赤い実弾かせながら過ごしております。

今回は開発環境 DB をコンテナ化した際に使用した Phinx についてです。

Phinx って何?

f:id:kenzo0107:20170829132120p:plain phinx.org

  • PHP (>=5.4) でコーディングできるDBマイグレーション&シードツール
  • composer 管理
  • CakePHP 2.x 系の schema.php の様なファイルを作る必要がない
  • DB の向け先は yml で複数管理可能
  • F/W に依存しない
  • MySQL, PostgreSQL, SQL Server, SQLite に対応


Phinx 採用経緯

メドピアでは以下の様な課題を鑑みてマイグレーションツールを模索していました。

  • PHP 5.x系 で運用している独自F/Wがある*1
  • 既に DB が大規模 (スキーマ数 50程度)
  • シード機能も欲しい
  • マイグレーション/シード機能のないF/Wで運用しているプロジェクトにも適用可能であればしたい
  • PostgreSQL, SQL Server で運用しているプロジェクトにも適用可能であればしたい

元々、
個々人用の開発 DB を本番 DB からセキュリティ上データをマスクした上で
同期する様な機能も検討していましたが
必要最低限で開発ができる状態であれば良いという総意から
シード機能も合わせて求める様になりました。

Phinx はこれらの課題を網羅しており、軽量で使い勝手がよかった為採用に至りました。


Phinx は初めてという方、
既に比較検討されている方、
といらっしゃると思いますので簡単に使い勝手を試していただく意味でも
弊社の利用方法と合わせて実践チュートリアルとして git を用意しました。

検証環境

  • OSX 10.12.5
  • Vagrant 1.9.3
  • VirtualBox 5.1.18
  • Docker version 17.03.1-ce, build c6d412e
  • docker-compose version 1.11.2, build dfed245

やること

  • 複数の DB スキーマへのマイグレーション実行
  • 複数の DB スキーマへのシード実行

システム概要図

Docker on Vagrant で動作確認していきます。

f:id:kenzo0107:20170829161035p:plain

無事 Moby Dock 達の抱える DB 達にデータが届くか試してみたいと思います。

事前準備

macOS%$ git clone https://github.com/medpeer-inc/phinx
macOS%$ cd phinx
macOS%$ vagrant up
macOS%$ vagrant ssh
vagrant%$ cd /vagrant

Adminer, Phinx, DB コンテナ起動

vagrant%$ docker-compose up --build -d
vagrant%$ docker-compose ps

        Name                      Command               State            Ports
---------------------------------------------------------------------------------------
      Name               Command              State               Ports
-----------------------------------------------------------------------------
        Name                      Command               State            Ports
---------------------------------------------------------------------------------------
vagrant_adminer_1      entrypoint.sh docker-php-e ...   Up       0.0.0.0:80->8080/tcp
vagrant_db-migrate_1   phinx --help                     Exit 0
vagrant_mysql_1        docker-entrypoint.sh mysqld      Up       0.0.0.0:3306->3306/tcp
vagrant_pgsql_1        docker-entrypoint.sh postgres    Up       0.0.0.0:5432->5432/tcp
vagrant_sqlsvr_1       /bin/sh -c /opt/mssql/bin/ ...   Up       0.0.0.0:1433->1433/tcp


  • db-migrate コンテナは one-off コンテナとして利用する為、Exit 0 で問題ありません。ビルドするのが目的です。
  • DB は MySQL, PostgreSQL, MSSQL を用意しました。


今回は MySQL をメインに進めたいと思います。

0. DB作成

MySQL, PostgreSQL コンテナではコンテナ起動時に
hogehoge, mogemoge の 2つの DB Schema を作成する様設定しています。

  • docker-compose.yml
...
  mysql:
    image: mysql:5.7
    environment:
    - MYSQL_ROOT_PASSWORD=rootpass
    - MYSQL_DATABASE=hogehoge
    - MYSQL_USER=developer
    - MYSQL_PASSWORD=pass
    volumes:
    - db-data:/var/lib/mysql
    - ./db/conf.d/my.cnf:/etc/mysql/conf.d/my.cnf
    - ./db/initdb.d:/docker-entrypoint-initdb.d
    ports:
    - 3306:3306


  • db/initdb.d/01_structure.sql
CREATE DATABASE `mogemoge`;

MySQL, PostgreSQL 公式 Docker コンテナでは
/docker-entrypoint-initdb.d 以下の SQL を起動時に実行する為
そちらに DB mogemoge を作成するよう設定しました。

これより 各 DB にテーブルを作成していきます。

1. テーブル作成

テーブル定義ファイル作成

DB hogehogeusers テーブルを
DB mogemogemembers テーブルを
作成する Phinx 定義ファイルを作成します。

定義ファイルのクラス名はキャメル形式限定です。

$ make migrate_create DB=hogehoge CLASS=CreateTableUsers
$ make migrate_create DB=mogemoge CLASS=CreateTableMembers
...
...
created db/migrations/hogehoge/20170724065658_create_table_users.php
created db/migrations/mogemoge/20170724065738_create_table_members.php

db/migrations 内に各 DB 毎のディレクトリが作成され、その配下に Phinx 定義ファイルが作成されているのが確認できます。

テーブル定義ファイル編集

  • db/migrations/hogehoge/20170724065658_create_table_users.php
<?php

use Phinx\Migration\AbstractMigration;
use Phinx\Db\Adapter\MysqlAdapter;

class CreateTableUsers extends AbstractMigration
{
    public function up()
    {
        // 自動生成される id を排除し、primary key を user_id とする
        $t = $this->table('users', ['id' => 'user_id']);

        $t->addColumn('last_name',       'string',     ['limit' => 10,  'comment' => '姓'])        // string 型 20文字制限
          ->addColumn('first_name',      'string',     ['limit' => 10,  'comment' => '名'])        // string 型 20文字制限
          ->addColumn('last_kana_name',  'string',     ['null' => true, 'limit' => 10,  'comment' => '姓(カナ)']) // string 型 NULL許可 10文字制限
          ->addColumn('first_kana_name', 'string',     ['null' => true, 'limit' => 10,  'comment' => '名(カナ)']) // string 型 NULL許可 10文字制限
          ->addColumn('username',        'string',     ['limit' => 20,  'comment' => 'ユーザ名'])   // string 型 20文字制限
          ->addColumn('password',        'string',     ['limit' => 40,  'comment' => 'パスワード']) // string 型 40文字制限
          ->addColumn('email',           'string',     ['limit' => 100, 'comment' => 'Email'])    // string 型 100文字制限
          ->addColumn('postcode',        'string',     ['limit' => 10,  'comment' => '郵便番号'])   // string 型 10文字制限
          ->addColumn('birthday',        'date',       ['comment' => '誕生日'])                    // date 型
          ->addColumn('gender',          'integer',    ['limit' => MysqlAdapter::INT_TINY, 'comment' => '性別(1:男 2:女 3:その他)']) // tinyint 型
          ->addColumn('card_number',     'string',     ['null' => true, 'limit' => 20,  'comment' =>'クレジットカードNo'])  // string 型 20文字制限 NULL許可
          ->addColumn('description',     'string',       ['null' => true, 'limit' => 255, 'comment' =>'説明'])  // string 型 255文字制限 NULL許可
          ->addColumn('created',         'timestamp',  ['default' => 'CURRENT_TIMESTAMP'])        // timestamp 型 default: CURRENT_TIMESTAMP
          ->addColumn('updated',         'datetime',   ['null' => true])                          // datetime 型 NULL 許可
          ->addIndex(['username', 'email'],     ['unique' => true])                               // username, email にユニークキー設定
          ->create();
    }

    public function down()
    {
        $this->dropTable('users');
    }
}


  • db/migrations/mogemoge/20170724065738_create_table_members.php
<?php

use Phinx\Migration\AbstractMigration;

class CreateTableMembers extends AbstractMigration
{
    public function up()
    {
        $t = $this->table('members');
        $t->addColumn('member_code', 'string',    ['limit' => 20,  'comment' => '会員コード'])   // string 型 20文字制限
          ->addColumn('created',     'timestamp', ['default' => 'CURRENT_TIMESTAMP'])        // timestamp 型 default: CURRENT_TIMESTAMP
          ->addColumn('updated',     'datetime',  ['null' => true])                          // datetime 型 NULL 許可
          ->addIndex(['member_code'], ['unique' => true])                                    // member_code にユニークキー設定
          ->create();
    }

    public function down()
    {
        $this->dropTable('members');
    }
}

2. カラム追加

テーブル定義ファイル作成

DB hogehogeusers テーブルにカラムを追加したいと思います。

$ make migrate_create DB=hogehoge CLASS=AddTableUsersColumnsCity
...
...
created db/migrations/hogehoge/20170724065838_add_table_users_columns_city.php

テーブル定義ファイル編集

カラム postcode の後にカラム city 追加します。

<?php

use Phinx\Migration\AbstractMigration;

class AddTableUsersColumnsCity extends AbstractMigration
{
    public function up()
    {
        $t = $this->table('users');
        $t->addColumn('city', 'string', ['limit' => 10, 'comment' => '都市', 'after' => 'postcode'])
          ->update();
    }

    public function down()
    {
        $t = $this->table('users');
        $t->removeColumn('city')
          ->save();
    }
}

マイグレーション実施

$ make migrate

Point !

ちなみにマイグレーションの実行順序は
配置されているファイルの数字・アルファベット順です。
以下の様な仕様となっています。

Aogehoge
H001gehoge
H01gehoge
H0gehoge
H1gehoge
H2gehoge
Hogehoge

テーブル確認

http://192.168.35.102/ へアクセスすると
Adminer のログインページが表示されます。

f:id:kenzo0107:20170829132009p:plain

※ docker-compose.yml で定義されているログイン情報

Key Value
System MySQL
Server mysql
User root
Password rootpass
Database hogehoge

サーバ情報を入力しログインすると作成されたテーブルを確認することができます。

f:id:kenzo0107:20170829132531p:plain

users テーブルをクリックし詳細を確認します。

f:id:kenzo0107:20170829132633p:plain

問題なく定義通りに作成されたことがわかります。

では、DB mogemoge はどうでしょうか。

DB mogemoge にも members テーブルが作成されていることが確認できます。

f:id:kenzo0107:20170829133145p:plain

Point !

各 DB に phinxlog テーブルが作成されています。

マイグレーション実行状況のステータスを管理しています。

  • DB hogehoge.phinxlog

f:id:kenzo0107:20170829133614p:plain

  • DB mogemoge.phinxlog

f:id:kenzo0107:20170829133606p:plain

DB スキーマ毎に phinxlog テーブルを分けた理由としては
将来的に DB スキーマごとお引越しする、もしくは、ドロップするとういう時に
都合が良い為です。


また、以下の様に DB スキーマを指定しテーブル作成はできますが

$t = $this->table('hogehoge.users');
$t->addColumn(...
  ->create();

カラム追加時には以下の様に DB スキーマを指定した場合には実行できない為、
複数 DBスキーマの場合は 1つの phinxlog での管理は現実的でないと考えました。

$t = $this->table('hogehoge.users');
$t->addColumn('city', 'string', ['limit' => 10, 'comment' => '都市', 'after' => 'postcode'])
  ->update();

シード作成

シード定義ファイル作成

$ make seed_create DB=hogehoge CLASS=UserSeeder
$ make seed_create DB=mogemoge CLASS=MembersSeeder
...
...
created ./db/seeds/hogehoge/UsersSeeder.php
created ./db/seeds/mogemoge/MembersSeeder.php

シード定義ファイル編集

  • ./db/seeds/hogehoge/UsersSeeder.php
<?php

use Phinx\Seed\AbstractSeed;

class UsersSeeder extends AbstractSeed
{
    public function run()
    {
        $t = $this->table('users');
        $t->truncate();

        $genders = [1,2,3];

        $faker = Faker\Factory::create('ja_JP');
        $d = [];
        for ($i = 0; $i < 10; $i++) {
            $d[] = [
                'last_name'        => $faker->lastName(10),
                'first_name'       => $faker->firstName(10),
                'last_kana_name'   => $faker->lastKanaName(10),
                'first_kana_name'  => $faker->firstKanaName(10),
                'username'         => $faker->userName(20),
                'password'         => sha1($faker->password),
                'email'            => $faker->email,
                'postcode'         => $faker->postcode,
                'city'             => $faker->city,
                'birthday'         => $faker->date($format='Y-m-d',$max='now'),
                'gender'           => $faker->randomElement($genders),
                'card_number'      => $faker->creditCardNumber,
                'description'      => $faker->text(200),
                'created'          => date('Y-m-d H:i:s'),
                'updated'          => date('Y-m-d H:i:s'),
            ];
        }

        $this->insert('users', $d);
    }
}


  • ./db/seeds/hogehoge/MembersSeeder.php
<?php

use Phinx\Seed\AbstractSeed;

class MembersSeeder extends AbstractSeed
{
    public function run()
    {
        $t = $this->table('members');
        $t->truncate();

        $faker = Faker\Factory::create('ja_JP');
        $d = [];
        for ($i = 0; $i < 10; $i++) {
            $d[] = [
                'member_code'  => $faker->regexify('[0-9]{20}'),
                'created'   => date('Y-m-d H:i:s'),
                'updated'   => date('Y-m-d H:i:s'),
            ];
        }

        $this->insert('members', $d);
    }
}

Faker というライブラリを利用することで 日本人の名前や住所、正規表現を使ったデータを作成できます。

シード実行

$ make seed

無事データが登録されました。

f:id:kenzo0107:20170829175823p:plain

おまけ 1

ここで Phinx の seed のデータ INSERT 方法が非常に気になりました。

...
...
 -- insert('members')
    -> 0.0023s
 -- insert('members')
    -> 0.0016s
 -- insert('members')
    -> 0.0019s
 -- insert('members')
    -> 0.0022s
...
...

1件ずつ INSERT してる...?

本家 Phinx github のソースを確認してみました。

  • src/Phinx/Db/Table.php
    /**
     * Commit the pending data waiting for insertion.
     *
     * @return void
     */
    public function saveData()
    {
        foreach ($this->getData() as $row) {
            $this->getAdapter()->insert($this, $row);
        }
    }

データを foreach して 1件ずつ登録している!
なんて日だ!

数十件ならまだ良いですが
シードデータも増えてくると待ち時間が増えてくるのは宜しくない。

と言うことで
バルクインサートする様修正しプルリクした所無事マージされました*2

https://github.com/cakephp/phinx/pull/1148/files

おまけ 2

SQL を直接実行することも可能です。

    public function up()
    {
        $q = <<<EOF
CREATE TABLE `users` (
  `user_id` int(11) NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  `last_name` varchar(10) NOT NULL COMMENT '姓',
  `first_name` varchar(10) NOT NULL COMMENT '名',
  `last_kana_name` varchar(10) DEFAULT NULL COMMENT '姓(カナ)',
  `first_kana_name` varchar(10) DEFAULT NULL COMMENT '名(カナ)',
  `username` varchar(20) NOT NULL COMMENT 'ユーザ名',
  `password` varchar(40) NOT NULL COMMENT 'パスワード',
  `email` varchar(100) NOT NULL COMMENT 'Email',
  `postcode` varchar(10) NOT NULL COMMENT '郵便番号',
  `birthday` date NOT NULL COMMENT '誕生日',
  `gender` tinyint(4) NOT NULL COMMENT '性別(1:男 2:女 3:その他)',
  `card_number` varchar(20) DEFAULT NULL COMMENT 'クレジットカードNo',
  `description` longtext COMMENT '説明',
  `created` timestamp NOT NULL DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP,
  `updated` datetime DEFAULT NULL,
  PRIMARY KEY (`user_id`),
  UNIQUE KEY `username` (`username`,`email`)
) ENGINE=InnoDB AUTO_INCREMENT=101 DEFAULT CHARSET=utf8;
        $this->execute($q);
    }

Phinx のお作法に則らないパワープレイではありますが
結局頭の中で実クエリに変換している脳内工数を考えると
これもアリかなと♪

議論の分かれる所かと思います。

もう一踏ん張りな所

  • TINY INT(3) の様なタイプ指定ができない (?)
  • ユニーク制御しているカラムへの Faker でランダムデータ生成では Duplicate Error 発生の懸念あり (←Fakerの話)

よかった所

  • 様々なタイプの DB へ適合
  • Faker 利用で日本語対応のデータ生成可
  • 比較的学習コスト低

まとめ

あらゆる DB への適合し今後とも善玉マイグレーションツールとして
期待される Phinx、如何でしたでしょうか?

PostgreSQL, MSSQL も同じ定義ファイルからマイグレーション・シードが実行でき、
無事 Moby Dock の腸までデータが届くことを確認しております。

是非お試しください♪

ご参考になれば幸いです。

参照


メドピアでは一緒に働く仲間を募集しています。 ご応募をお待ちしております!

■募集ポジションはこちら

https://medpeer.co.jp/recruit/entry/

■開発環境はこちら

https://medpeer.co.jp/recruit/workplace/development.html

*1:Rails 移行中

*2:1000 件程度のデータのシード実行では 6倍以上パフォーマンスが向上していることを確認しています。

ノンデザイナーだから使おう Adobe XD

f:id:akinorifukumura:20170808112301p:plain

こんにちは。MedPeerデザイナーの松村です。

突然ですがみなさんAdobe XD使ってますか?

私は最近もっぱらデザイン作業をXDで行なっており、作業スピードが1.8倍くらいになったと感じてます。

そしてXDを使ううちに気づいたのです。

XDはノンデザイナーこそ使うべきなのではないか…?🤔

というわけで、以下のようなスライドを社内LTで発表してみました。

簡単にまとめると、デザイナー以外もXDを使うことで

  1. 自分のイメージを伝えやすくなる
  2. テキスト情報などをそのまま使えるのでデザイナー工数が(少し)減る
  3. なんせ使いやすい

というメリットがあるよという内容です。 (PPTやエクセルでも1はクリアできますが、テキストのコピペが地味にめんどくさい…というデザイナーさんは多いのではないでしょうか)

反応が良かったのでワークショップをやってみた

LTを行ったのち、社内メンバーから使ってみたいという声が上がったのでワークショップを行ってみました。

まずはワイヤーフレームの概要説明を。 f:id:umeccco:20170802123147p:plain f:id:umeccco:20170802123156p:plain これ以上は言葉で説明するより作るのが早いだろう、ということで簡単なワイヤーフレームを個人の端末上で作ってみました。 (ちなみにFORUM Q&Aとは医師同士の質問サービスで、MedPeerのメインコンテンツです。) f:id:umeccco:20170802123211p:plain

ノンデザイナーが驚いたXDの機能

リピートグリッド

f:id:umeccco:20170802132901p:plain

選択したオブジェクトを繰り返し配置できるリピートグリッド。XDのキモとも言えるこの機能には参加者からも「おお〜」という声が上がりました。

helpx.adobe.com

画像のマスク

f:id:umeccco:20170802133507p:plain

ドロップインで画像が指定サイズに収まる点も評判が良かったです。

ただし、切り取り箇所は細かく制御できないのでデザイン時は以下のように「シェイプでマスク」を使うと便利です。

f:id:umeccco:20170802133046p:plain

オブジェクトの結合・切り抜き

f:id:umeccco:20170802133753p:plain

Adobe製品ではおなじみの機能ですが、デザイナー以外の方はあまり知らないとあって良い反応を得られました。

基本機能はIllustratorのオブジェクトの結合・切り抜きと似ていますが、ダブルクリックすると結合・切り抜きを行ったオブジェクトの形を再編集できるので便利です。 f:id:umeccco:20170802133803p:plain

オブジェクトの整列

f:id:umeccco:20170802133451p:plain PPTやエクセルだとあとちょっとが揃わなくてやきもき…ということが多いですが、XDだと気持ちよく揃ってくれる上にガイドまで表示されるところが評価されていました。

困ったこと

  • XDはWindows版もリリースされているが対応機種はWindows 10 Anniversary Updateのみ(Windows7ユーザーは導入できず困りました。)
  • WindowsとMacでインターフェイスが微妙に違う(メニューの出し方などが異なる)
  • なんだかんだで依頼形式は変わらない(小一時間触ったところで新しいツールを使おうとはならない(慣れたツールに戻ってしまう)ので、継続して啓蒙が必要)

良かったこと

  • ノンデザイナーでも1時間もかからないうちにワイヤーフレームが作れた
  • デザインの手順や必要な情報が何かということがふんわり伝わった

相互理解を深めるためにも、ノンデザイナーにもデザイナー用のツールに触れてもらう機会は重要だなと感じました。

今期は以下の内容で勉強会を開催していますが、タッチアンドトライやアイデア共有の機会ももっと設けたいと思っています。

f:id:umeccco:20170802140947p:plain

MedPeerのディレクターやエンジニアはこういった勉強会にも積極的に関わってくれるので、デザイナーには良い環境なのです😋

最後に

MedPeerのコンセプトは「医師の集合知」。

社内メンバー自ら職種の垣根を超えて知識を共有することで、そのコンセプトを体現できればと考え行動しています。

社内には医師メンバーもたくさんいるので、医療に貢献できるサービスを作るべく、医師も加わって知恵を出し合ってサービス開発しています。今後は、「医師を知る」ワークショップなども行う予定です。

少しでも気になったそこのデザイナーさん。是非一度会社見学に来てみませんか?

MedPeerではサービスを通じて社会に貢献したいデザイナーを募集しています。


是非読者になってください(ง `ω´)ง


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2泊3日の開発合宿 in 千葉県金谷 まるもに行って来ました!!!!!!

こんにちは!!メドピアの栢割(カヤワリ)です。
メドピアでは定期的にエンジニアが集まって、普段の業務ではなかなか出来ないタスクの消化や新しい技術研鑽などを目的とした開発合宿を開催しています。

毎回開催場所には迷うのですが、今回は夏の海を一望できる南房総の方へ!!!千葉県富津市金谷にあるコワーキングスペース「まるも」さんにお邪魔しました。

まるも|都会と金谷を繋ぐコミュニティスペース | 南房総の金谷にあるコミュニティスペース「まるも」。開発合宿や経営合宿、イベント貸切など様々な用途で活用できるスペースです。

いざっ!

最寄りの浜金谷駅に到着。

今回はグループ会社のFitsPlus(フィッツプラス) *1の開発メンバーも参加してくれました。 f:id:takayukikayawari:20170712233217j:plain

駅から歩いて5分ほどの所にコワーキングスペース「まるも」さんがあります。 f:id:takayukikayawari:20170712233550j:plainf:id:takayukikayawari:20170712233600j:plain 中は結構広くてDIY感が溢れたおしゃれなスペースです。テーブル、ソファ、電源タップ、クーラー(←大事)、ホワイトボードなど備品も揃ってます。近くにはスーパーもあるのでお菓子や飲み物にも困りません。(ただ営業時間が夜19時までなので、早めに買い出しをしておかないと、遠くのコンビニまで歩く羽目になります(焦))

f:id:takayukikayawari:20170712233710j:plain

ちなみにまるもさんは年季の入ったトイレの改修をご検討中だそうです↓↓↓↓↓近いうちに行ったら新トイレを拝借できるかも…。

camp-fire.jp

まるもさんは宿泊スペースはなく、鍵なども閉められないので無人状態で貴重品などは置いていけません。荷物置きや寝泊まりはまるもさんのすぐ近くにある「かぢや旅館」さんにしました。

www.kajiyaryokan.com

開発の様子

開発合宿のメリットの一つは普段の職場から離れて、リラックスしやすい環境で開発ができることかと思います。しかしリラックスできるからといってダラダラと開発を進めて、いつもより進捗が悪かったら本末転倒です。
まるもに到着したら、まず各自の目標を共有してから開発を始めます。

(あ…別に普段の開発環境がリラックスできないというわけではないですよ笑。弊社ではエンジニアが出来るだけ快適に開発に集中できるように色々と制度や環境が整えられています。 弊社の開発環境・オフィスにご興味ある方は是非こちらをご参考くださいませ↓↓↓↓↓ )

開発環境 - 採用情報 - メドピア株式会社

弊社の合宿は各自が取り組みたいテーマを決めて開発することが多かったのですが、今回は合宿前にMedPeerのディレクターや部長陣に開発して欲しい新サービスの要件をヒアリングして開発する人もいました。合宿中に新サービスを作って、正式にメドピアのサービスとしてリリースしたり業務を効率化に繋げられれば、合宿を開催する意義も大いにあると思います。最終日の成果発表が楽しみです。

宣言後は開発に没頭します カタカタ(*^-^)ヘ_/ f:id:takayukikayawari:20170713000512j:plainf:id:takayukikayawari:20170713000533j:plain 外にテーブルと椅子があり、気分転換に場所を移動して開発ができます。こんな感じで自然あふれる郊外の空気を吸いながら開発に集中できるのも合宿の醍醐味。 f:id:takayukikayawari:20170713000746j:plainf:id:takayukikayawari:20170713000818j:plain

お腹が空いてきたら地元のご飯を堪能できるのも合宿のいいところ。海が近いこともあって新鮮な魚料理を連日頂きました。絶品!!!!!(ちなみに宿の周りに食事処があるかどうか事前に調べておいた方が良いです…。定休日だったり、営業時間短かったりで、お店を探し回る事になるので笑) f:id:takayukikayawari:20170713001609j:plainf:id:takayukikayawari:20170713001623j:plainf:id:takayukikayawari:20170713003103j:plain 2日目のお昼にはまるもさんスペースをお借りしてBBQを実施。メドピアの職場は部署間の座席が近いので他部署でも話した事がない人はいないのですが、フィッツプラスは職場が本郷にあるのでなかなかお話する機会がありません。BBQをキッカケに普段話さないメンバーともお話ができました(^-^) f:id:takayukikayawari:20170713002039j:plainf:id:takayukikayawari:20170713002123j:plain

コワーキングスペースは24時間使用できるので夜遅くまで開発に没頭しますカタカタ(*^-^)ヘ_/ f:id:takayukikayawari:20170713000838j:plain





成果発表

最終日の午後は成果発表。

  • 機械学習APIを使ったLINE BotとMessanger Botの開発

  • webpackの導入

  • fat controller / model抑制を意識した新しいgemの設計

  • 業務で使う管理画面のブラッシュアップ

  • Vue.jsや導入検討中のgemを使った新サービス開発

  • API-blueprintを利用したツール開発 などなど・・・・・・・

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最後は皆でパシャリ!!!お疲れ様でした!!! f:id:takayukikayawari:20170719102739j:plain

まとめ

今回は事前に社内から要望をヒアリングしてきた方が多かったので、今後正式に新サービスとしてリリースされるかもしれない成果が多く、期待感のある結果となりました。やはり合宿前に準備や目標を決めておくことが開発合宿の成功の秘訣かと思います。
個人的には各自が別々の目標で開発するという流れだったので、次回以降はチームを組んで開発するのも面白いのではないかと思っています。
また次の機会がありましたら、合宿の様子をお伝え出来ればと思います。

それではごきげんよう!!

(過去の合宿の様子が気になる方は以下をご参考ください↓) tech.medpeer.co.jp

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是非読者になってください(ง `ω´)ง


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