メドピア開発者ブログ

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滞りなくサービスをクローズするために必要なこと

メドピアエンジニアの難波です。

医師専用コミュニティサイト「MedPeer」では、今年の8月にMedPeer Journalというサービスのクローズを行いました。今回の記事ではその時に行った作業の紹介をしたいと思います。

サービスの新規開発に関する記事というものは世の中にたくさんあれど、大規模なサービスにおける一部機能(サービス)の終了に関する経験や知見は中々オープンにされにくいものです。しかしサービスを滞りなく素早く終了させることは新しいサービスを作るリソースの確保という観点でも大事なことであり、今回の記事が将来の参考になればと思い1つの事例としてここに認めます。

MedPeer Journalについて

MedPeer Journal(以下Journal)とはPubMed(Wikipedia)という医学を中心とする生命科学の文献情報を収集したオンラインデータベースへの検索エンジンを利用して、MedPeer会員が世界中の論文に対して議論したりコメントしたりすることができるサービスです。2018年の夏にスタートしたのですが一年ほどの運用を経て検討した結果、様々な理由により2019年8月にサービスを終了することとなりました。

事業的な観点による反省や改善点などは色々とあるものの今回はそれは置いておいて、本記事ではMedPeerのような内部で様々なサービスが運営されているWebサービスにおける、一部サービスの終了とそれに伴う開発的なフローについてまとめます。

クローズの計画づくり

一言でサービスを終了するといっても、サービスを終了するために必要な実装というものが存在します。提供しているのが単一のサービスでありそれを終了するなら極論サーバを落としたりドメインの向き先をS3に置いた「サービス終了のお知らせ」という一枚のHTMLにすることも可能ですが、JournalのようにMedPeerというサービスの1コンテンツとして運用しているものはそうもいきません。

よってまずサービスの終了に必要な作業をまとめ、見積もりを行います。その見積もりを見て終了しない場合に毎月かかるコストやリスク、終了にかかる実装コスト、終了に伴うユーザへの影響などを総合的に鑑みて判断が行われます。この部分はサービスの性質によって内容が大きく異なる部分かと思いますが、Journalでは終了に必要な作業として大まかに以下のようなタスクを挙げました。

  • 事前に必要なこと
    • ユーザへの告知
    • 関係者への連絡
    • データの削除に関する方針の決定
  • 終了日に必要なこと
    • ルーティングの削除
    • 一部URLにアクセスした場合のリダイレクト処理
  • 終了後に必要なこと
    • ソースコードの削除
    • 関連サービスの停止
    • データの移行や削除
    • 移行データの管理画面作成

実装作業

事前に必要なこと

開発が必要なものとしてまずはユーザへの告知です。Journalのトップ画面にお知らせという形で表示しました。

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またJournalでは一部の論文に関してお手伝いいただいている医師の先生に論文解説を書いていただいておりました。これらを含め他のサービスで活かせる情報も多く、具体的に必要な移行作業などを検討して方針を決めました。

終了日に必要なこと

終了日に最低限必要なことはユーザが正常にサービスにアクセスできなくなることです。そのためにまずRailsのroutes.rbから該当するルーティングを削除しました。また一部URLについてはトップ画面へリダイレクトするという処理をNginxの設定ファイルに追記しました。

ここで大変だったのは社内の別のページからJournalへリンクしているかどうかの調査です。MedPeer内の別ページからのリンク(ヘルプページなど)、更にはコーポレートサイトにJournalの紹介などのリンクがないかをチェックする必要もありました。基本的には社内の各サービス担当者にヒアリングを行い、各種リポジトリ内でgrepすることで抜け漏れを探す作業になります。

終了後に必要なこと

ユーザがサービスにアクセスできなくなってもソースコードはまだ残っており、それを消さなければRailsや各種gemfileのアップデート時の負債になり続けます。Journalにおいては上記で書いたように一部データについては移行を行う予定だったため、ViewとController、テストについてはほとんど全てを、Modelについては一部を残して削除しました。今回はRubyの世界で移行作業を行うことにしたためこういう方針にしましたが、別の方針としてデータベースの当該テーブルをダンプしてS3等に保存、その後新規に作成したテーブルにSQLでデータを流し込むといった方針もあったと思います。

またJournalでは検索機能を提供しており、そのためにElasticsearch on Elastic Cloudを使用しておりました。こちらについては他のサービスも使用しているため全面的にストップということにはなりませんでしたが、データの削除、インスタンスタイプの変更などを行いました。

また他サービスに移行して使用することになったデータを管理するための管理画面の作成などを行いました。

注意しておくべき点

実際に起きたヒヤリハットなのですが、大規模な機能改修が頻繁に行われているリポジトリでは様々なブランチで編集が行われるファイルがあります。Railsでは routes.rbschema.rb が該当するものでしょう。

そういう時に注意してレビューを行わないと、クローズ時に消したはずのコードが復活することがあります。クローズ担当者は現在アクティブに動いているPull Requestについても一通り確認しておきましょう。

まとめ

今回のJournalクローズでは終了後のトラブルといったこともあまりなく、滞りなく作業を行うことができました。

サービスをクローズすることは残念なことですが、それによって生まれた開発的な正の変化としては以下のようなものがあります。

  • bundle update 時の確認コスト減少
  • Rubyアップデート時の確認コスト減少
  • 不要になったgemの削除
  • CIの完了までにかかる時間の減少

終了しないに越したことはありませんが、終了するとなったら後顧の憂いを残さぬように予定を決めて速やかに削除しましょう。


(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎是非読者になってください


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